施政方針
平成29年度の予算編成の基本方針についてご説明申し上げます。我が国の財政状況は、アベノミクスの取り組みの下、経済再生・デフレ脱却に向けて前進しているものの、中国の成長鈍化、資源価格の下落、英国のEU離脱問題等を背景に世界経済の不透明感が増しており、景気の下振れリスクが懸念されているところであります。 また、平成27年度末の債務残高はGDPの2倍程度に膨らみ、なおもさらなる累増が見込まれるなど、引き続き厳しい状況にあります。
こうした厳しい状況下にあって、平成29年度は、「環境・健康・教育・農業・企業誘致」を町の政策の柱とし、町のPR、交流人口の増加など、移住・定住対策の強化、雇用確保のための企業誘致、選ばれる自治体となるための子育て支援や教育の充実を図り、若い世代が町に入ってくることで好循環をつくり、活気があり、町民が幸せを実感できるまちづくりに全力で邁進してまいります。 さらに、組織改革や、プロフェッショナル職員の育成に努め、人材を活かした組織力の向上を図ってまいります。 財政再建につきましても、将来負担比率は、平成25年度の184.1%から平成27年度は152.4%へ、さらに平成28年度は140%程度に改善される見込みです。町の借金である町債の総額も、平成25年度の 171億9,024万円から平成27年度は164億287万円へ、平成28年度は160億3,563万円程度へと改善される見込みです。 収入につきましても、ふるさと納税による寄付金収入は、平成25年度の 6万5千円から、平成27年度は8億4千万円を超え、さらに平成28年度は 16億円を超える見込みです。
本年1月の日野自動車古河工場の全面稼働、2月26日の圏央道茨城区間の全線開通など、境町を取り巻く環境は急速に変化しております。町としても、人口の増加に向けて、スピード感を持って各種施策を推進してまいります。 境町にはさらなるポテンシャルがある、それを皆様とともに引き出し、将来にわたり持続的な成長を実現できると、確信しております。
(予 算)
本町の平成29年度当初予算につきましては、国の地方財政対策などを踏まえるとともに、住民が真に求めているもの及び財政健全化を総合的に勘案しながら編成いたしました。 平成29年度においても、将来負担比率の改善、町の借金である町債の削減が図られる見込みとなっております。はじめに、歳入につきましては、町税が町民税の増収により、4.4%増の 34億8,807万円を計上するとともに、ふるさとづくり寄付金として、ふるさと納税は平成28年度当初予算より2億円増となる7億円、企業版ふるさと納税は1億0,050万円を予算計上させていただきました。一方、歳出につきましては、少子高齢化の進行により社会保障関連経費が増加することに伴い、社会福祉費が前年度当初比9.2%増となる17億6,773万円を計上するとともに、ふるさとづくり基金から6億8,902万円繰り入れし、子育て支援、教育、さらには環境・防災などの新規事業に重点的に配分をいたしました。この結果、平成29年度一般会計予算の総額は、ふるさと納税の大幅な伸びが寄与し、境町の当初予算として過去最大となる104億9,700万円となっております。
また、特別会計は6件で、前年度当初比1.2%増の71億2,080万円となっております。
(施策の概要)
これより施策の概要についてご説明申し上げます。
(地方創生)
はじめに、地方創生関係についてご説明申し上げます。 地方創生については、国において総合戦略に沿って施策展開を進め、地方創生に取り組む地方公共団体に対して多様な支援を行うとともに、まち・ひと・しごと創生基本方針を定め、地方創生の深化に向けた考え方と政策パッケージ・個別施策の対応の方向を示しております。 町といたしましても、こうした国の政策に呼応しながら、「境町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、地域特性に応じた対策を迅速かつ的確に実行してまいります。 まず、国の地方創生拠点整備交付金事業に採択されたDMO観光拠点づくり推進事業1億9,800万円により、県内一の人気を誇る当町のふるさと納税で取り扱う、梅山豚、常陸牛、さしま茶等地元の特産品のほか、協定を締結している自治体等より提供されている特産品が飲食可能な体験型の施設を整備するものであります。具体的には、道の駅さかいの既存施設の隣地に、ビュッフェスタイルレストランのほか、町の特産品を購入できる「境のこだわり物販スペース」、団体客向けの飲食スペースとしても利用可能な「さしま茶カフェ」、地元の野菜や常陸牛、希少な梅山豚を組み合わせた「鉄板スペース」を新たに整備いたします。 あわせて、地方創生推進交付金を活用した特産品の販売や6次産業化を進めることにより、当該施設を、梅山豚やさしま茶といった境が誇る特産品の地域ブランド化を推進する拠点としても活用していきたいと考えております。
また、地方創生推進交付金を活用したさしま茶ブランド推進事業でございますが、2月22日に当町及びさしま茶協会、麗澤大学と連携して事業を実施するため協定を締結いたしました。日本で初めて海外に輸出された「さしま茶」のルーツを明らかにすることによりブランド力を高め、国内外に販路を拡大してまいります。
次に、総合計画についてでございますが、平成25年度から第5次総合計画を開始し、基本構想及び前期基本計画に基づく各種政策・施策を展開してまいりました。前期基本計画は平成29年度までとなることから、新たに平成30年度からはじまる後期基本計画を平成29年度中に策定してまいります。策定に際しては、「境町まち・ひと・しごと創生総合戦略」における人口動向分析や人口目標値、政策・施策や重要業績評価指標(KPI)を勘案してまいります。
1 ひとづくり
(プロフェッショナル職員)
次に、職員体制とプロッフェッショナル職員の育成について申し上げます。 平成29年3月1日現在における職員数は、232名で、本年度の定年退職者5名、勧奨等による退職者3名、さらに再任用者2名を含めた10名が退職することになります。 また、平成29年4月1日付けで、社会人経験者や新卒者6名のほか、危機管理対策や避難訓練等にあたっていただくため、専門的知識と実務経験を有する自衛隊OBの方を危機管理監として採用予定であります。継続雇用を含めた再任用職員8名と合わせて、職員数は234名となる予定です。 さらに、異なる組織での業務を経験し、幅広い視野をもつ職員を育成するため、茨城県庁の本庁・出先機関などに合わせて6名のほか、観光庁と地方自治研究機構も含めて合計8名の職員を派遣するとともに、引き続き、境町役場でも県職員を受け入れる人事交流を継続する予定としております。 あわせて、引き続きアフター5勉強会や、条例制定等の基礎について学ぶ法制執務研修、新規採用職員を対象とした町内の民間企業や社会福祉施設、農家などでの実務研修を実施し、職員の資質向上とプロフェッショナル職員の育成に取り組んでまいります。
(情報セキュリティの強靱化)
次に、役場の情報システムの安全性を高めるため、自治体情報セキュリティ強化対策事業として、2,329万円を計上させていただきました。この事業は、職員が役場で使用する情報電算機器をインターネット環境から分離するとともに、県と県内市町村において共同調達する情報セキュリティクラウドへ参画することで、急速に複雑・巧妙化しているサイバー攻撃のリスクから役場の情報システムを守るものです。今年度中に構築が完了するマイナンバーを取り扱う情報電算機器への静脈認証機能追加やUSB等外部記録媒体の使用不可設定と合わせ、総務省の指針に基づく、住民情報保護に対する抜本的な対策としての事業となっております。
(移住・定住対策)
次に、移住・定住促進事業について申し上げます。今年1月に全面稼働した日野自動車古河工場に異動する従業員及び家族を主なターゲットに、町民税の一部相当額を交付する移住促進奨励金による支援や、当町の魅力を紹介するバスツアー、高速バスラッピング広告を活用したPRなどにより誘致を図ってまいります。 また、移住・定住者の居住環境の充実を図るため、企業版ふるさと納税を活用した空き家等活用推進事業により、中心市街地の空き家や空き店舗に移住希望者を呼び込む取組や、今定例会に取得を提案しております雇用促進住宅の活用、PFIの手法を取り入れた定住促進住宅の平成30年4月開設を目指した整備を進めてまいります。
(学校教育関係)
次に、学校教育関係について申し上げます。平成28年度は長田小学校の児童6名をアルゼンチンに派遣し、ホームステイやテレビ番組出演など現地で交流を深めましたが、平成29年度については、長田小学校のほか、希望があれば他の学校も対象に実施し、アルゼンチンとの交流に取り組んでまいります。次に、7つの習慣小学校導入事業についてでありますが、児童それぞれが主体的に物事を考え、行動できるアクティブラーニングを目指し、教育プログラム「リーダーインミー」に取り組んでおります。ステップ1として、平成28年度は、小学校全教職員が「7つの習慣」について研修を受講しました。ステップ2として、平成29年度は、小学校の授業や学校生活の中で、目標に対する「優先事項の選択」や「達成するための手法」について学び、子供たちがアクティブに、保護者がポジティブに、学校全体が活性化するよう推進してまいります。
また、先般の議会全員協議会でご説明したとおり、実践的な英語教育が必要不可欠であることから、国は平成32年度から小学校での英語教育の実施を予定しておりますが、当町では、一歩先を行く英語教育を推進いたします。現在のALTに加え、町が外国人講師を直接雇用して各小中学校に配置し、英語教育はもとより、将来的には数学や理科などの授業も英語で行い、小学校では、英検3級TOEICで300点程度、中学校では、英検2級TOEICで600点程度の英語力が身につくようにしたいと考えております。平成29年度はモデル校を指定し、3名のフィリピン人英語講師を招聘したうえで、9月より実施することとして、1,178万円を計上させていただきました。フィリピン人英語教師の招聘につきましては、教師選考と訪日前研修をフィリピンのマリキナ市において行う予定であることから、マリキナ市との友好交流にかかる経費もあわせて計上させていただきました。マリキナ市は、人口は約45万人で、平成28年のフィリピンで経済成長が著しい自治体トップ10にランクされるなど、さらなる発展が期待できる都市でございます。本交流事業のほか、多方面にわたる分野における交流により、当町の発展につなげてまいりたいと考えております。
(生涯学習関係)
次に、生涯学習関係でありますが、町民一人ひとりが生涯を通じて学び続けることの出来る社会の形成を目指し、生涯学習に関する情報や学習機会の提供、人材の育成等をさらに充実させたいと考えております。 最先端の教育プログラムを取り入れた「キッズフューチャーキャンプ」や、平成28年度に「まちづくりアイデアソン」として実施した高校生による政策コンテストを平成29年度は「まちであそん2017」として実施し、町をあげて青少年の育成に努めてまいります。
次に、企業版ふるさと納税を活用した文化村リノベーション推進事業により、「いこいの広場」を改修いたします。具体的には、昨年リノベーションを行った部分との統一感を持たせるため、同じリサイクル材やウッドデッキに改装するほか、直径12mの「エアトランポリン」等の遊具の設置、広場の一部を駐車場とするなど、町民の皆様が楽しく安心して遊ぶことのできる施設に改修することで、今後も利用の促進を図ってまいります。
また、生涯スポーツ並びに地域コミュティの拠点として大変な賑わいをみせているグラウンド・ゴルフ場についても、高齢の利用者や自転車等による来場者が多く、隣接した駐車場を整備してほしいとの要望がありましたことから、今回、新たに駐車場を設置する予算を計上させていただきましたので、ご審議のほどよろしくお願いします。
2 健康づくり【健康福祉】
続いて、福祉関係全般について、ご説明申し上げます。 まず、地域福祉関係ですが、核家族化の進展や相互扶助機能の低下などにより、地域福祉を取り巻く環境は大きく変化しております。平成29年度は、地域福祉を推進する具体的な取り組みを定める第2期境町地域福祉計画や、障害のある人の自立と社会参加支援などの施策を推進する第3次境町障害者計画など関係計画の策定を進め、ともに支え合う地域福祉の環境作りを推進してまいります。
次に、介護福祉関係でありますが、第6期介護保険事業計画に基づき、各種サービスの提供体制の確保に努めるとともに、昨年12年ぶりに開催し大好評を博しました「いきいき福祉大会」を平成29年度も開催いたします。本大会の開催に御協力いただいた「境町老人クラブ連合会」は、今年の4月1日より、名称が「境町いきいきクラブ連合会」に改称されるとのことでございますが、連合会の皆さんと連携し、高齢者の生きがいづくりや健康づくりを進めてまいります。
また、昨年9月に包括連携協定を締結したDHCとの連携事業といたしまして、認知症や脳血管疾患の予防や低減を目的に、サプリメントの葉酸を活用した葉酸サプリプロジェクト事業を実施するほか、健幸マイレージ事業といたしまして、町民の皆さんが日常的に取り組まれている健康増進活動をポイント制にして、健康補助食品などと交換できる制度を新たに設け、楽しみながら健康寿命の延伸や生活習慣病の予防に取り組む、総合的な健康づくりを推進してまいります。
次に、児童福祉関係でありますが、まず、放課後児童クラブにつきましては、昨年「にこにこ児童クラブ」を開設するなど、5クラブから7クラブへ増設し、定員を200人から255人に増員したところですが、平成29年度においては、希望する全ての児童が入会できよう定員を290名に増やすため、臨時的に「ふれあいの里子育て支援センター」内に新たな児童クラブを開設する準備を進めております。 また、役場庁舎1階にキッズスペースを設置し、子育て世帯が安心して来庁できる環境の整備を図ります。 さらに、生後6ヶ月の乳児から18歳までを対象として、新たに小児インフルエンザ予防接種費用の助成を実施するほか、第3子以降の3歳未満児の保育料を無償化するとともに、「妊娠・出産・育児」に関する情報をスマートフォンにより手軽に取得できる子育て応援アプリ「ママフレ」や、予防接種の日程管理などの支援ツールとして「電子母子手帳」を新たに導入するなど、安心して子育てできる環境作りをより一層推進してまいります。 あわせて、昨年度から実施している学校給食費の補助についても、平成29年度は約2,000名を対象に実施することとして、関係予算を計上させていただきました。
3 環境づくり【生活環境】
続いて、災害に強いまちづくりについてご説明申し上げます。 関東・東北豪雨を教訓に今後の水害に備えるため、国の補助金を活用し、役場西側の駐車場に水害避難タワーを整備する費用、1億6,281万円を計上させていただきました。この避難タワーは、逃げ遅れた避難者を一時的に受け入れる緊急避難所として使用するとともに、食料や飲料水、災害用機材を備蓄する倉庫のほか、自家発電設備も設置いたします。 あわせて、関東・東北豪雨災害の検証と、町民の避難行動を考えた実践的な広域避難行動計画を策定するため、地方自治研究機構との共同研究を行うこととしております。
また、災害時や緊急時に住民にいち早く情報伝達するため、インターネットラジオを基盤とし、スマートフォンやタブレットを活用した新しい災害情報の伝達システムを導入する費用や、防災士資格取得にかかる費用、関東・東北豪雨災害時に、水難事故の人命救助には、ボートの導入が有用であったことに鑑み、消防団員が小型船舶免許を取得する費用の補助金を計上させていただきました。
4 暮らしづくり【都市基盤】
(周辺開発事業)
続いて、圏央道インターチェンジ周辺開発についてご説明申し上げます。 境古河インターは、圏央道のほぼ真ん中に位置し、首都圏や東北などの南北方面だけではなく、成田空港などの東西方面へも抜群のアクセスを誇ります。「人やモノの流れが大きく変わる」ということが実感できるとともに、圏央道開通の効果を最大限に活かすインターチェンジ周辺開発を、今まで以上にスピード感をもって推進していかなければならないと感じております。 この開発は、税収増や雇用機会の創出に期待が膨らむ事業であり、本町の新たな産業拠点として、必ずや地域経済の活性化につながるものと確信しております。 境古河インターチェンジ周辺地区につきましては、冒頭で申し上げましたとおり、今月中を目途に事業計画を策定し、4月以降、市街化区域編入や区画整理事業、地区計画策定等の都市計画のための本格的な手続きに入ってまいります。そして、12月には茨城県都市計画審議会に付議し、都市計画の決定告示ののち、正式な事業認可申請を行い、平成30年3月には土地区画整理組合設立認可を目途に作業を進めているところであります。また認可後においては、組合設立総会や大和ハウス工業との正式な業務代行契約を経て、用地買収、工事着工が実施される予定であります。
(道路事業)
続いて、快適な都市活動を支えるまちづくりの道路事業でありますが、圏央道へアクセスする国道・県道などの整備を促進するとともに、地域拠点を結ぶ幹線道路の整備を進め、広域的な交通ネットワークの形成を図ってまいります。 なお、宮戸川に架かる横塚地区の橋梁の架け替え事業でありますが、本年度、仮橋の設置及び旧橋の撤去工事を発注したところであり、平成29年度は、橋梁下部工事に着手し、早期完成に向け事業を進めてまいります。 また、交通量が多く、損傷が見られる一級町道につきましては、道路ストック点検事業の修繕計画に基づき、計画的に維持・補修を行ってまいります。さらに、地域の要望や利便性を考慮しつつ、誰もが安心して安全に通行できるよう、交通安全施設や道路の拡幅及び維持補修等の整備を進めてまいります。 次に、準用河川染谷川改修事業でありますが、今般の異常気象によるゲリラ豪雨が頻繁に発生し、道路が冠水する箇所が多く見られることから、継続した河川拡幅や築堤工事を実施し、被害の軽減が図られるよう、河川改修を進めてまいります。
(水道事業)
続いて、水道事業についてご説明申し上げます。 まず、収益的収支でありますが、収益面の給水収益につきましては、過去の実績をもとに業務量を推計し、対前年比3.5%増の5億9,014万円の額を編成したところでございます。費用面では、施設の経年劣化に伴う、施設の修繕・交換など維持管理に必要な経費を軽減し、対前年度比1%減の6億4,369万円とする予算を編成したところでございます。 次に、資本的収支でありますが、建設改良費の施設費として配水管布設工事・4号井戸擁壁設置工事等4,850万円を計上し、営業設備費の施設費として境浄水場の配水ポンプ制御用電源蓄電池交換及び濁度・色度計測機器交換工事と監視用コンピューターの更新として4,764万円を計上したところであります。 今後も引き続き、浄水施設及び設備等の経年変化が懸念されますことから、効率的な運営管理に努めるとともに、安全でおいしい水の安定供給を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
(下水道事業)
続いて、下水道事業についてご説明申し上げます。 まず、公共下水道事業ですが、上小橋・大歩地区の実施設計業務及び管渠工事の費用2億3,550万円を当初予算に計上させていただきました。 また、関東・東北豪雨による被災を踏まえ、雨水排水計画の策定業務を進めており、今月中にとりまとめることとなっておりますので、平成29年度に計画を受けた実施設計業務の委託の費用3,000万円を計上させていただきました。 さらに、供用開始区域内の水洗化の向上を図り、下水道施設の効率的な管理運営と下水道財政の健全化に努めてまいります。 次に、農業集落排水事業でありますが、昨年度に引き続き、4地区の排水処理施設等の効率的な維持管理を行い、健全な財政運営に努めてまいります。
5 仕事づくり【産業】
(農業関係)
続いて、農業の振興についてご説明申し上げます。 農業の抱える大きな課題として担い手不足が叫ばれる中、農業者人口の激減が危惧されておりますが、地場産業である農業の振興を図るため、2月4日に宮城県にあります「舞台ファーム」を訪問し、日本最大かつ最新の精米工場と、農業法人化のノウハウやICT化、新たな技術革新等に取り組む事業を視察してまいりました。これを参考に、平成29年度新規事業として、舞台ファームと連携した、次世代の農業知識や技術の習得、6次産業化の支援、農業生産法人創設による販路拡大のほか、繁忙期の人手不足を解消するための農業サポーター制度の創設や、ドローンの農業現場への導入による農作業の効率化など、農業新時代の次世代型人材育成支援事業等3事業を実施してまいります。
次に、米政策でありますが、平成30年度より行政による生産数量目標の配分が廃止されることから、平成29年度については、米の需給及び価格の安定を図るための円滑な生産調整の実施に向け、境町農業再生協議会が中心となり、主食用米から飼料用米や飼料作物等への転換を進めてまいります。また、平成30年度より価格の低下など農業者の経営努力では避けられない収入減少を補償の対象とした収入保険制度が創設されることから、農業者への周知や加入の推進に努めてまいります。 次に、畜産業の振興ですが、今定例会に平成28年度補正予算として計上しております畜産競争力強化対策整備事業を平成29年度に繰り越し、省力化機械の導入などによる生産コストの削減や品質向上など、収益力や生産基盤を強化する取組を実施してまいります。
(商工関係)
続いて、商工関係についてご説明申し上げます。 中小企業支援につきましては、中小企業者の経営安定と体質改善に必要な資金の貸付による経営基盤の強化と振興発展を図るため、制度金融の斡旋に努めてまいります。 また、町民の皆さんの快適な住環境の整備、町内建設業の振興及び雇用の安定に加え、定住促進を図ることを目的に、住宅リフォーム助成事業を引き続き実施してまいります。 一方、商店街の衰退による地域コミュニティの低下が喫緊の課題でありますことから、現在、ふるさと財団の「まちなか再生支援事業」の採択を受けるべく申請をしているところでございます。境町商工会と連携し、先日の圏央道開通による効果も踏まえた商店街や中心市街地の活性化を図ってまいります。
(観光事業)
続いて、観光事業についてご説明申し上げます。 2月10日にさかいふるさと祭り運営委員会を開催し、平成29年度のイベント日程と、運営委員会のなかに、各イベントの実行委員会を組織することを決定いたしました。「第15回菜の花フェスティバル」を4月8日に、「第32回ふるさと祭り」については、7月15日の御輿渡御に始まり、16日に花火大会、22日に歩行者天国、さらに、ふるさと祭りの中で実施していたイカダレースは、7月30日に開催いたします。 なお花火大会は、打ち上げ数を昨年の1万5,000発から2万発に増やし、さらに、茨城が誇る2大花火師である山崎煙火製造所と野村花火工業に、昨年の土浦全国花火競技大会で内閣総理大臣賞を受賞した紅屋青木煙火店を加えた3社による夢の共演が夏の夜空を彩ります。次に、昨年12月に3年ぶりに復活した町民号でありますが、今年は4月11日から13日の2泊3日の行程で、熊本地震の復興支援と、昨年当町と友好都市協定を締結した佐賀県みやき町との交流を目的に実施する予定としております。募集定員90名、負担金2万5,000円で計画しており、近々チラシを配付する予定でございます。次に、企業版ふるさと納税を活用した観光国際交流推進事業でありますが、世界中から観光客が訪れるハワイにおいて、現地で事業展開している日本企業と連携し、6月に「境ウィーク」を開催いたします。ふるさと祭りを手がける花火事業者による花火大会を行うとともに、当町の観光魅力や特産物をPRし、観光誘客を促進してまいります。
以上、町政報告並びに新年度の施政方針について申し上げましたが、国においては地方創生のために様々な施策を展開するとしており、真に地方が元気になるためには、これまで以上に地方自らがリーダーシップを持ち、スピード感を持って決断し、自らの意思で行動をしていくことが必要であると考えております。財政的には明るい兆しが見えてきたとはいえ、まだまだ厳しい状況が続きます。町として、各施策を着実に推進し、魅力ある境町づくりに最善の努力をいたす所存でありますので、議員各位におかれましても、今後とも町政発展のため、なお一層のご指導・ご支援を心からお願い申し上げ説明を終わります。